墾丁出発
当初の予定では本日台北に着かなければならなかった日。
しかし航空券を買いなおした我ら自由人には関係なくなった。
いちおうレンタルバイク屋には台湾の友人経由で13日に返却と言っておいてもらった。
本日ついに墾丁を出発し次の目的地へ。
次の目的地は台東を通過し、できるだけ二子山温泉の近くまで行く事。
今日はかなり走る必要がある。
余裕があったら世界でも数少ないという珊瑚礁にある海底温泉のある緑島に行きたかった所だが。
二子山温泉は本ツーリングのメインイベントと言ってもいい。
情報では河原を8kmほど進む必要があり、普通は四駆で行くような所のようだ。
このバイクでは無理なので我々はザックを背負って徒歩で行くしかない。使わない荷物はバイクとともに置いておけばなんとかなるだろう。
台湾の治安は、ある意味日本以上いいかもしれない。
荷物おきっぱなし、バイクの鍵つけっぱなし、車のエンジンかけっぱなしの人多数。
台湾はマナーもいい。台北でエスカレータでは片側(右側)にきちんと寄っているし、コンビニなどで、どっちがレジが先かわからない微妙な時、どうぞと譲ってくれたりする。
全身刺青の兄ちゃんまで、いやいやどうぞとダチョウ倶楽部のように譲り合い。
日本は世界でもマナーがいいと言われてるが、負けそうな位台湾もいい。
いや、最近の日本はマナーがいいと言えるだろうか。
昨日も来た北海道の道のような海岸線を進む。
天気もいいし気分最高である。
じょじょに丘を下りて、満州というのんびりした町を抜け東側に抜けるつもりだったが、道を間違え恒春まで来てしまう。
恒春まで戻ってしまったので省道9号線で東側を目指す。
この道は東側の海に抜けるまでバイク専用レーンがないので怖い。
前の車がつまって、その車の後ろについて走ってても、後ろから追いついてきた車は意地でもバイクを抜きにかかる。
スクーターは自転車という感覚なのだろう。
中でも一番怖いのがバス。
カーブでも平気で被せてくる。
何度か内輪差でつぶされそうになる。
この道はバスが多いので恐怖。
それに対してトラックは意外と優しい運転をする。
日本と反対な感じ。
もう一つ台湾交通の特徴。
カーブで平気でセンターラインを割ってくる。
対向車にこれをやられるとバイクは恐怖。
本日は土曜という事もあり、スクーターツーリング集団が多い。
高雄ナンバーの集団としばらく一緒に走る。
大型バイクは日本より値段が高い(CBR1000が日本円で200万円以上)ので、あまり走っていないが、この日は結構見た。
大型バイクは、どのバイクも新車のようにピカピカに手入れをされている。
よほど大事に乗られてるのだろう。
台湾のバイク乗りとも話をして見たかったが、残念ながらその機会はなかった。
一つ台湾走り屋ネタを。
台湾でも走り屋っぽい車をたまに見かける。
そのほとんどがランエボ。
他に選択肢ないのか?と思う位ランエボばかりだった。
車好きの友人に帰国後に聞いた所、三菱は昔からアジアでの展開に力を入れていたからじゃないかとの事だ。
ガソリンスタンドの裏に椰子の木とバナナの木が見える。ほんとうに南国なんだ。
東海岸側に抜け台東方面へ北上する。
気分のいい海岸線が続くし交通量も少ない。
止まると暑いのだが、走ってると涼しい。
これぞツーリングという感じ。
途中のなんとか海浜公園で休憩。
空模様がちょっとやばめになってきた。
11号線から30号線に入り軽い峠越えとなる。
涼しいどころかちょっと寒くなってくる。
案の定雨が降ってきたが、1時間くらいでやんだ。
玉里からの9号線はほとんど高速道路のようだ。
信号も全然ないので距離はどんどん伸びる。
東海岸側に来てある変化に気付いた。
檳榔ギャル店にギャルがまったくいなくなった。
完全なおばさんか、もしくはおじさん。
東側はかなり北までこの状態が続く。
温泉付きキャンプ場発見
北回帰線公園で休憩。北回帰線なので、熱帯から亜熱帯に戻る。
そろそろ今日どこで寝るか考えないと。
またまた地球の歩き方の世話になる。
ここから近い紅葉温泉に宿があるようだ。
紅葉温泉。日本人も結構来るらしい。
途中寂れきった瑞穂温泉を通過した時に「露営区(キャンプ場)」を結構見かけた。
紅葉温泉なら宿に泊まるよりキャンプの方がいいかな。
Y氏、荷物を置いて周囲を偵察に行く。
Y氏が帰還し、値段はわからないがよさげなキャンプ場が何箇所かあったとの事。
たどり着いたのが、ここ吉祥庭園温泉キャンプ場。
ここは極上キャンプ場だった。
広大な芝生のサイト。
さらには、なんとここもコンセント完備だ。
コックをひねると恐ろしいほどの湯量で噴出す温泉。
しかもそれぞれ個室になっている。
家族風呂というんだろうか。
窓から自分のテントが見える。
この環境、設備で300元(約800円)。
台湾のキャンプ場の相場が4,500元なので、それを考えるとかなりお得。しかしながらここ瑞穂温泉郷(いろんな名前の温泉がかなりの数ある)は寂れている。
ファミマ1軒と、なんだかよくわからない食堂が数軒あるのみ。
観光地なのに人気もあまりない。
夕食がコンビニ弁当ではつまらないので、紅葉温泉に向かう橋のたもとにある食堂に行ってみる。
台湾の田舎によくある完全オープンのお店なのだが、営業しているのかよくわからない。
強烈に入りづらい。
店の奥に見える自宅(?)にはTV見てご飯食べてる人が見える。
Y氏、その店に侵入し、その人のそばまで行くがまったく無視。
まるで相手にされていない。
雰囲気から察するに、どうやらもう閉店してるようだ(入り口は全開ですが)。
仕方ないのでファミマから数百m離れた怪しい店に行く。
一見食堂っぽいが何だかわからない店。
入り口にはパソコンが並びネットゲームのゲーセンのようになっていて、奥にはカラオケルームがあり、誰かが熱唱している。
ひどくうるさい。
後でわかるが、田舎にはこの手の店(食事、カラオケ、ゲーム等がいっしょくたになってる店)がたくさんあった。
お世辞にも客層もいいとは言えず、地元のヤンキーの溜まり場のように見える。
一人では怖くて絶対入れないが、二人なので勇気を出して入ってみる。意外に愛想のいいおばさん(というかおばあちゃん)に何があるか聞いてみると(メニューもない)、牛肉炒麺があると言われ、それを注文。
70元也。
奥でTVでも見てなさいと、カラオケルームのTVをつけてくれる。
まったく期待してなかったが、意外にもかなりうまかった。
帰りにファミマでビールを買って、キャンプ場の椅子でくつろいでいると、大型観光バスが来た。
実はここは人気スポットなのかもしれない。
観光バスで来たグループはその後食堂でカラオケ大会をやっていた。
台湾の曲には結構詳しいのだが、古い演歌らしく1曲もわからない。
そのグループのたいくつそうな女の子が、キャンプ場で飼っている犬や猫と遊んでいたので、一緒に遊んであげた。
昨今の日本であれば事案扱いになりそうであるが、断じてそんな事はない。
普通に遊んであげただけです。
その子は台北から来た9歳の子で、お父さんがさっきの観光バスを運転してきたそうだ。
今日泊まって明日帰るとの事。
本日は近所にセブンイレブンがないので、初のWIFIのない日だった。
ここまで毎日ネットに繋げるのもすごい事だけど。
なかなか濃い一日だった。
本日走行距離:260km この旅でもっとも走った一日